2017年度医学部入試情報
2016年度医学部入試結果分析
私立大学 全体概況
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※2017年度入試情報は、2017年4月入学予定者向けの情報です。
2016/07/04 掲載
2016年度医学科入試結果についてお伝えします。
私立大学 全体概況
医学部新設により一般方式は増加
2016年度の入学定員は、私立大医学科全体で118名の増員となりました<図表5>。このうち100名は東北医科薬科大の医学部新設によるものです。今春の一般入試の募集人員は、一般方式が91名増の2,541名、センター方式が17名増の355名となりました。一般方式で大幅に増員していますが、これは新設の東北医科薬科大が、初年度は一般方式のみを実施したためです。
東北医科薬科大を除くと一般方式の募集人員は9名の減少となる。近畿大は一般方式(静岡県地域枠)を廃止してセンター方式を5名増、東海大は一般方式を減員し募集人員10名のセンター方式を新規に実施しました。
<図表5>私立大医学科 入学定員の推移
年度 入試 |
1年次入学定員 (増減) |
募集人員の内訳(増減) | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
一般入試 | 特別入試 | |||||||||||
一般方式 | センター方式 | 推薦入試 | AO入試 | 他 | ||||||||
2016 | 3,477 | (+118) | 2,541 | (+91) | 355 | (+17) | 425 | (+5) | 15 | (+5) | 19 | (±0) |
2015 | 3,359 | (+41) | 2,450 | (+29) | 338 | (-1) | 420 | (+12) | 10 | (±0) | 19 | (±0) |
2014 | 3,318 | (+7) | 2,421 | (+11) | 339 | (+17) | 408 | (±0) | 10 | (±0) | 19 | (-5) |
2013 | 3,311 | (+16) | 2,410 | (-26) | 322 | (+29) | 408 | (+1) | 10 | (±0) | 24 | (±0) |
2012 | 3,295 | (+37) | 2,436 | (+43) | 293 | (+7) | 407 | (+2) | 10 | (±0) | 24 | (±0) |
2011 | 3,258 | (+22) | 2,393 | (-37) | 286 | (+56) | 405 | (+12) | 10 | (±0) | 24 | (±0) |
2010 | 3,236 | (+65) | 2,430 | (-4) | 230 | (+19) | 393 | (+50) | 10 | (±0) | 24 | (+3) |
2009 | 3,171 | (+271) | 2,434 | (+216) | 211 | (+38) | 343 | (+8) | 10 | (±0) | 21 | (+10) |
2008 | 2,900 | (+20) | 2,218 | (+30) | 173 | (-10) | 335 | (-23) | 10 | (-10) | 11 | (+10) |
2007 | 2,880 | 2,188 | 183 | 358 | 20 | 1 |
- ※河合塾調べ
- ※大学による非公表の募集人員があるため、1年次入学定員の数値は一般入試・特別入試の合計と一致しません
私立大医学科の志願者数は一般入試全体で前年比101%と増加しました。方式別に見ると、一般方式が前年比102%、センター方式が同96%とセンター方式で減少しています<図表6>。一般方式の志願者数増加は、東北医科薬科大が新設されたためで、東北医科薬科大の志願者数を除いて集計すると一般方式は前年比99%となり、わずかとはいえ、センター方式と同様に志願者は減少しており、国公立大ともども医学科人気は落ち着いたといえるでしょう。
<図表6>私立大医学科 一般入試の入試結果(入試方式別)
志願者数(A) | 合格者数(B) | 倍率(A/B) | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
14年 | 15年 | 16年 | 15/14 | 16/15 | 14年 | 15年 | 16年 | 15/14 | 16/15 | 14年 | 15年 | 16年 | |
一般方式 | 86,656 | 88,610 | 90,593 | 102% | 102% | 4,598 | 4,812 | 5,128 | 105% | 107% | 18.8 | 18.4 | 17.7 |
センター方式 | 17,484 | 15,959 | 15,262 | 91% | 96% | 736 | 730 | 720 | 99% | 99% | 23.8 | 21.9 | 21.2 |
全体 | 104,140 | 104,569 | 105,855 | 100% | 101% | 5,334 | 5,542 | 5,848 | 104% | 106% | 19.5 | 18.9 | 18.1 |
- ※河合塾調べ
入試難易度について見ますと、一般方式(地域枠を除く)では0ランク(偏差値67.5)以上の大学数が11→14大学に増加、1ランク(偏差値65.0)以下の大学数が17→16大学に減少し、ここ数年の難化傾向に変わりはありませんでした<図表7>。センター方式ではボーダー得点率がダウンした大学が多く、全体平均では0.4%ダウンとなりました。また、センター方式の実施大学は年々増加しており、今春入試では東海大が一般枠で導入しました。
<図表7>私立大医学科 ボーダーランク別大学数の推移(一般方式<一般枠>)

- ※河合塾入試結果調査データより
東北医科薬科大の状況
今春入試の動向で最も注目されたのは、東北医科薬科大でしょう。医学部の新設は37年ぶりです。東北地方の私立大では岩手医科大に続き、2大学目の医学部となります。今春入試は一般方式のみで行われ、100名の募集人員に対し2,458人の志願者が集まりました。注目された入試難易度は、A方式がMランク(偏差値70.0)、B方式、C方式はともに0ランク(偏差値67.5)となりました。また、合格者は当初正規合格者を募集人員と同数の100名と発表しました。しかし、後日繰り上げ合格者197名を出すなど初年度ならではの混乱が見られました。
なお、今春入試では例年以上に繰り上げ合格者を出した大学が散見されました。東京女子医科大では過去最高の72名の繰り上げ合格者が出ました。関西医科大では、補欠合格者の繰り上げ合格が回り切ったため、一次試験不合格者のなかから二次試験の面接を行い、追加合格者を出しました。ほかにも4月に入ってから繰り上げ合格を発表した大学がいくつも見られ、今春入試は例年以上に「長い」入試となりました。
入試変更による影響
今春入試では東海大と日本大で新たな方式が実施されました。東海大はセンター方式(前期、後期)を導入しました。既存のセンター方式は神奈川県地域枠であり、出願資格や卒業後に勤務地等の制限のないものとしては初のセンター方式です。前期は872人、後期は44人の志願者が集まりました。
日本大では、同一試験日、同一問題で複数の学部・学科を併願できるN方式第1期を新規実施しました。募集人員3名に対し、156人の志願者が集まり、倍率(志願/合格)は52.0倍と高倍率の入試となりました。入試難易度は既存のA方式と同じ1ランク(偏差値65.0)でした。
近畿大ではセンター方式のC方式前期・中期で新たに個別試験(小論文と面接)が課されるようになりました。個別試験増による負担感から志願者はC方式前期では前年比79%、C方式中期では同61%といずれも大きく減少しました。ボーダー得点率もダウンし、C方式前期は93→90%、C方式中期は94→91%となりました。
近年注目される動きとして学費の値下げが挙げられます。
今春入試では藤田保健衛生大が初年度学費を930万円→750万円(6年間で3,872万円→3,692万円)に引き下げました。さらに、一般方式前期と愛知県地域枠の成績上位80名に初年度学費を280万円免除する特待生制度を新たに実施しました。志願者は一般方式前期では前年比155%と5割強の増加、センター方式では同112%といずれも増加となりました。
以上、2016年度医学科入試の状況を見てきました。医学科人気は落ち着きを取り戻しているものの、依然として入試難易度は高い状況です。2017年度入試では国際医療福祉大が千葉県成田市に医学部を新設する予定です。首都圏に誕生する学部でもあることから注目度は高そうです。
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