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医学部入試の基礎知識

医学科入試は近年人気も高く、ハイレベルな戦いが続いています。
ここでは医学部入試の基礎知識について解説します。

全国82の大学に医学科が設置

全国の医学科設置大学は、2017年度現在、国公立大学で50大学、準大学で1大学(防衛医科大)、私立大で31大学の合計82大学が設置されています。

国公立大学

旧帝大(7大学)
東京、京都、北海道、東北、名古屋、大阪、九州
旧制医科大(7大学)
千葉、新潟、金沢、京都府立医科、岡山、
長崎、熊本
旧医専(19大学)
札幌医科、弘前、福島県立医科、群馬、
東京医科歯科、横浜市立、信州、
名古屋市立、岐阜、三重、大阪市立、神戸、
奈良県立医科、和歌山県立医科、鳥取、
広島、山口、徳島、鹿児島
新設医大(18大学)
旭川医科、秋田、山形、筑波、富山、福井、山梨、浜松医科、滋賀医科、島根、香川、
愛媛、高知、佐賀、大分、宮崎、琉球、
防衛医科(※) ※防衛医科は文部科学省所管外の大学校

私立大学

私立御三家(3大学)
慶應義塾、東京慈恵会医科、日本医科
旧医専(10大学)
岩手医科、順天堂、昭和、東京医科、
東京女子医科、東邦、日本、大阪医科、
関西医科、久留米
新設医大(16大学)
自治医科、獨協医科、埼玉医科、北里、
杏林、帝京、東海、聖マリアンナ医科、
金沢医科、愛知医科、藤田保健衛生、近畿、
兵庫医科、川崎医科、福岡、産業医科
2016年度新設(1大学)
東北医科薬科
2017年度新設(1大学)
国際医療福祉

医学科入学定員

医師の地域・診療科偏在、医師不足が深刻化し、2008年度から入学定員の増員が繰り返されてきました。国公私立大をあわせた2017年度の定員は9,420名で、2008年度からは1,795名の増員となっており、学校数にすると18校分近い増加となっています。

高い入試倍率、ハイレベルな戦い

グラフは国公立大学、私立大学それぞれで、医学科入試倍率の推移と、国公立大学全体または私立大学全体の倍率をまとめたものです。

2015年度以降はやや落ち着いた感がありますが、全体と比較すると、医学科の倍率が飛び抜けて高いことがわかります。また医学科志望者の成績層にも大きな変化はなく、ハイレベルな戦いが続いています。

医学科 入試倍率の推移

国公立大

私立大

  • ※倍率は志願者数/合格者数
  • ※国公立大は一般入試前期日程、私立大は一般入試のもの、2016・2017年度の私立全体の倍率は河合塾推定

医学科入試では高い学力が求められる

国公立大学:センター試験では得点率90%を目標、全統記述模試で偏差値65.0以上を

医学科合格のためには平均点により若干の変動はあるものの、大学入試センター試験(以下、センター試験)で85%以上の得点率が必要になります。

首都圏にある大学や旧帝大の医学科、あるいはセンター試験のウエイトの高い大学の医学科になると、安心して出願するためには90%以上の得点率が必要で、逆に得点率が80%を切ってしまうと国公立大学の合格は非常に厳しくなってきます。

得点率90%確保のためには、数学・理科の4科目中2科目は、マーク式の模試でコンスタントに満点が取れるくらいに仕上げるのが理想です。

次に二次試験についてです。ほぼすべての大学のボーダー偏差値が全統記述模試で偏差値65.0以上、首都圏や旧帝大では偏差値70.0以上と非常に高いレベルが求められます。そのレベルの高さから、つい難問にばかり手を出して苦しむ受験生を毎年多く見ていますが、実は難問ばかりを解いていてもこの偏差値には届きません。

大切なのはセンター試験の対策をすることで基礎学力を固め、二次試験の対策はその土台を基に、標準的・典型的問題にしっかり対応できる答案作成力をつけることです。実際に合否を決めるのもこの部分の完成度が大きくかかわってきます。

また、出題傾向も大学によって異なります。例えば総合大学の医学科は、標準的な出題ながら高得点が必要な傾向があったり、逆に単科の医科大学では、問題の難易度は高めながら合格最低点は若干低めの傾向があったりします。こういった点にも気を配って到達目標を設定する必要があります。

私立大学:全統記述模試で偏差値65.0以上を

国公立大学に比べると、一般入試ではセンター試験が必要ない分、負担が少ないといえます。しかし、出題傾向が大学により多様で、基本問題で高得点が必要な大学、マーク式の出題、問題量が多くスピードが求められる出題、国公立大学の難関校並に難易度の高い出題などさまざまです。

また国公立大学と併願する場合、私立大入試が始まる直前にセンター試験があるので、私立大学の傾向対策に時間がかけられず、模試で良い判定が出ていた大学を取りこぼすケースも散見されます。

基礎学力をしっかりと身につけ、そのうえに標準問題・典型問題に対応できる学力を積み上げるのは国公立大学と同様ですが、より大学の出題傾向にあわせた対策をとるようにしましょう。基本から丁寧に学習し、標準的・典型的問題については確実に得点源にすることが、まずは大切です。

今後、模擬試験の結果が返却されましたら、得点率が低かった科目については特に力をつけられるように取り組みましょう。苦手科目や苦手分野については、早めに学習を積み重ねて苦手を克服し、基礎的な問題や平均得点が高い問題については確実に点が取れるようにしましょう。

医学科の入試方式

国公立大学入試では募集人員の66%は前期日程となっており、入試の基本は前期日程と考えてください。後期日程は縮小傾向にありますが、反対に推薦入試は拡大傾向にあります。

特定の地域や診療科に医師不足が目立つ場合、出身地区や卒業後の勤務地等に制限を設けた条件つきの入試枠を推薦入試に設置する大学が増えているためです。

私立大学の場合は、他学部と異なり、一般入試(一般方式+センター方式)の募集人員が全体の9割を占めています。また、一般入試は1回のみ実施の大学が多数です。

センター方式はまだ実施大学が少ないうえに募集人員も少ないため、例年高倍率入試となっています。また国公立大学同様に、条件つき募集枠の募集人員が推薦入試を中心に増加しています。

国公立大

入試方式別募集人員の割合

  • 基本は前期日程
  • 後期日程は縮小傾向
  • 推薦・AO入試が近年拡大

私立大

入試方式別募集人員の割合

  • 基本は一般入試
  • 他学部と異なり一般入試は1回のみの実施が多数
  • センター利用方式と推薦入試が近年拡大
  • ※グラフは2017年度のもの

医学科の入試科目

国公立大学

国公立大医学科では、センター試験は、5教科7科目の受験が基本です。なお、理科では理科①(基礎を付した科目)では受験できません。

また二次試験科目では、前期日程は、英語・数学・理科2科目の学科試験に面接が加わる大学がほとんどです。このほかに東大・京大・名古屋大・山形大のように国語が課される大学もあります。

理科では大多数の大学が物理・化学・生物の3科目から2科目を選択しますが、なかには物理・化学が必須の大学(2017年度入試前期日程では、群馬大・金沢大・愛媛大・九州大・佐賀大)もあるので注意が必要です(2017年度センター試験の理科では山口大が化学を、九州大・熊本大が生物を、佐賀大(前期)が物理・化学を必須としていました。)

後期日程では小論文または総合問題にプラスして面接を行う大学が多くなっています。医学科の小論文については、内容は英文読解や理科論述である大学もあります。

また、出題テーマは医療トピックスのほか人文系・自然科学系のトピックスなどもあり、幅広い内容となっています。過去問で志望校の出題傾向を確認し、練習を積んでおきたいところです。

国公立大医学科の入試科目

センター試験
5教科7科目(外・数2・国・理2・地or公)
個別学力検査(2次試験)

《前期日程》

  • ・学科試験(英・数・理2)+面接が基本
  • ・国語を課す大学あり
    (東大・京大・名大・山形大)

《後期日程》

  • ・小論文 or 総合問題+面接が基本
  • ・学科試験を課す大学もあり

後期日程では小論文または総合問題にプラスして面接を行う大学が多くなっています。医学科の小論文については、内容は英文読解や理科論述である大学もあります。

また、出題テーマは医療トピックスのほか人文系・自然科学系のトピックスなどもあり、幅広い内容となっています。過去問で志望校の出題傾向を確認し、練習を積んでおきたいところです。

私立大学

私立大医学科の入試科目は英語・数学・理科2科目に加え小論文・面接がほとんどの大学で課されます。医学科志望者は小論文や面接対策を怠らないようにしましょう。

私立大医学科では31大学中17大学でセンター試験を利用した入試を実施します(2018年度入試)。このうち産業医科大はセンター試験が必須です。

私立大医学科の入試科目

一般入試の入試科目

英・数・理2・小・面が基本形
  • ・理科は物・化・生→2科目が基本
  • ・「理科1科目のみ」「小・面を課さない」大学もあり

入試方式に特徴のある大学(2018年度入試)

センター試験が必須
産業医科大
センター利用方式を導入
国際医療福祉大・獨協医科大・埼玉医科大・杏林大・順天堂大・昭和大・帝京大・東海大・東京医科大・愛知医科大・藤田保健衛生大・大阪医科大・関西医科大・近畿大・兵庫医科大・福岡大
後期(Ⅱ期)入試を実施
埼玉医科大・昭和大・東海大・日本医科大・金沢医科大・愛知医科大・藤田保健衛生大・大阪医科大・関西医科大・近畿大・兵庫医科大
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