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医学部入試情報2020 医学部入試結果分析2019
全体/国公立大学 全体概況

※医学部入試情報2020は、2020年4月入学予定者向けの情報です。
2019/07/03 掲載

2019年度医学部医学科入試の結果についてお伝えします。

医学部医学科入試 全体概況

2019年度入試では、国公立大の前期日程は5年連続の志願者数減となりました。センター試験の平均点上昇に後押しされ、後期日程の志願者数は7年ぶりに増加に転じたものの、医学科人気は落ち着きをみせています。

私立大医学科でも志願者数は減少し、私立大医学科全体の倍率(志願者/合格者)は大きくダウンしました。ただし、二期(後期)入試では新規実施により志願者が大きく増加する結果となりました。

では、2019年度医学科入試について詳しく見ていきましょう。

国公立大学医学部医学科入試 全体概況

前期日程の志願者数は5年連続減少

まず初めに、国公立大医学科の入学定員について確認しておきましょう。医学科では、2008年度から2017年度までの10年間で国策により入学定員が増員されてきました。このうち2017年度までの臨時定員増の大部分は、2019年度まで延長が認められていたため、この2年の入学定員に大きな変動はありませんでした<図表1>

次に、日程ごとの募集人員の変化を見ていきましょう。前期日程で33名減員した一方、AO入試は10名増加しました。近年、入試における多面的評価導入の動きが拡がっており、医学科でもAO・推薦入試といった特別入試の拡大にともなう募集人員シフトが続いています。

東北大では、特別入試の拡大を段階的に進めており、前年に引き続き2019年度入試でも前期日程の募集人員5名がAO入試、国際バカロレア入試へ移行しました。そのほか、大阪市立大では、AO入試を新規実施し、前期日程で募集していた地域医療枠を推薦入試での募集に変更したことにより、前期日程の募集人員が15名減少しました。

<図表1>国公立大医学科 入学定員の推移

年度 1年次入学定員
(増減)
募集人員の内訳(増減)
前期日程 後期日程 推薦入試 AO入試
2019 5,558 (±0) 3,635 (-33) 524 (-15) 1,154 (+23) 214 (+10)
2018 5,558 (-13) 3,668 (-18) 539 (-2) 1,131 (-5) 204 (+11)
2017 5,571 (+2) 3,686 (+25) 541 (-15) 1,136 (+7) 193 (-15)
2016 5,569 (+10) 3,661 (+22) 556 (-30) 1,129 (+15) 208 (+3)
2015 5,559 (+24) 3,639 (+30) 586 (-25) 1,114 (+11) 205 (+8)
2014 5,535 (+18) 3,609 (+22) 611 (-40) 1,103 (+42) 197 (-6)
2013 5,517 (+35) 3,587 (±0) 651 (-19) 1,061 (+54) 203 (±0)
2012 5,482 (+29) 3,587 (+20) 670 (-5) 1,007 (+14) 203 (±0)
2011 5,453 (+55) 3,567 (-9) 675 (-10) 993 (+66) 203 (+3)
2010 5,398 (+290) 3,576 (+183) 685 (-38) 927 (+115) 200 (+30)
2009 5,108 (+420) 3,393 (+277) 723 (-28) 812 (+111) 170 (+60)
2008 4,688 (+163) 3,116 (+125) 751 (-129) 701 (+142) 110 (+15)
2007 4,525 2,991 880 559 95
  • ※河合塾調べ
  • ※各年度の1年次入学定員は、東京大の理科三類以外からの進学者10名を含みます
  • ※2011年度以降の1年次入学定員は、北海道大の総合入試入学者からの医学科進学予定者5名を含みます
  • ※2018年度以降の1年次入学定員は、金沢大の後期一括入試入学者からの医学科進学予定者1名を含みます

では、こうした背景を確認したうえで一般入試の状況を見ていきましょう。<図表2>は、2007年度からの一般入試の入試結果をまとめたものです。2019年度の志願者は、前期日程(前年比96%)・後期日程(同101%)と、日程により異なる結果となりました。国公立大のメイン入試ともいえる前期日程は、2015年度から5年連続で減少しており、医学科人気は低調と言えます。

一方、後期日程は7年ぶりに増加に転じました。2019年度入試はセンター試験の英語(リスニング)、国語といった主要科目で平均点が上昇し高得点層が増加したことから、後期をあきらめずに出願した受験生が例年より多かった様子がうかがえます。
前期日程の倍率(志願者/合格者)は、前年の4.5倍→4.4倍とダウンし、2007年以降最も低い倍率となりました。一方、後期日程では志願者増にともない14.8倍→15.4倍にアップしました。

<図表2>国公立大医学科 一般入試の入試結果(日程別)

年度 前期日程 後期日程
志願者数(増減) 合格者数 倍率
(志願/合格)
志願者数(増減) 合格者数 倍率
(志願/合格)
2019 16,390 (-674) 3,741 4.4 9,081 (+112) 591 15.4
2018 17,064 (-1,029) 3,796 4.5 8,969 (-958) 605 14.8
2017 18,093 (-249) 3,796 4.8 9,927 (-146) 586 16.9
2016 18,342 (-657) 3,792 4.8 10,073 (-974) 631 16.0
2015 18,999 (-920) 3,770 5.0 11,047 (-1,539) 636 17.4
2014 19,919 (+243) 3,704 5.4 12,586 (-227) 654 19.2
2013 19,676 (-807) 3,696 5.3 12,813 (-1,290) 695 18.4
2012 20,483 (+1,460) 3,671 5.6 14,103 (+386) 718 19.6
2011 19,023 (+1,846) 3,655 5.2 13,717 (+1,024) 722 19.0
2010 17,177 (+137) 3,711 4.6 12,693 (+42) 736 17.2
2009 17,040 (-200) 3,500 4.9 12,651 (-618) 782 16.2
2008 17,240 (+148) 3,189 5.4 13,269 (+7) 794 16.7
2007 17,092 3,038 5.6 13,262 913 14.5
  • ※河合塾調べ(5月30日現在)

国公立大医学科合格に必要な学力は

国公立大医学科の入試難易度についてみていきます。<図表3>は、①国公立大医学科、②東京大・京都大理系(理科三類・医学科除く)、③東京大・京都大を除く旧帝大理系(医学科除く)、それぞれのグループの合格者のセンター試験得点分布です。国公立大医学科合格者の得点分布は、旧帝大理系合格者の分布より右(高得点)側に位置しています。

一方で、得点率9割前後の高得点層では、東京大・京都大理系合格者の分布の方が大きくなっています。国公立大医学科合格には、東京大・京都大理系合格に並ぶ学力が必要であり、国公立大医学科の難易度の高さがうかがえます。

<図表3>国公立大医学科合格者・旧帝大合格者(前期日程)のセンター試験得点分布

国公立大医学科合格者・旧帝大合格者のセンター試験得点分布(前期日程)
  • ※河合塾「入試結果調査データ」より

<図表4>は、国公立大医学科前期日程受験者のセンター試験教科別平均得点率を、合格者と不合格者に分けて表したものです。グラフの外側が合格者、内側が不合格者の平均得点率を表します。
2019年度入試のセンター試験では、前述したように英語(リスニング)や国語といった主要科目で平均点が上昇した影響で、5教科7科目の総合型の平均点も上昇しました。国公立大の医学科合格者の平均得点率は、総合で88%でした。国語、地歴公民、理科2科目は8割前半となっているものの、その他の教科では9割を超えています。

また、合格者の得点率は不合格者のものから全体的に10%程度高くなっています。とくに注目したいのが、数学②と理科②2科目のうち得点が低い科目(理②低と表記)です。合格者と不合格者の平均点差が他科目と比べて開いており、ここで差がついた様子がうかがえます。

<図表4>国公立大医学科(前期日程)受験者のセンター試験教科別平均得点率

国公立大医学科受験者 センター試験教科別平均得点率(前期日程)
  • ※河合塾「入試結果調査データ」より
  • ※理科②高・低:理科②2科目のうち得点が高い科目または低い科目を表します

大学別の志願状況

次に、大学別の志願動向をみていきます。国公立大の志願動向は、前年の志願者数増減や、入試科目・配点、2段階選抜の新規実施・倍率変更といった入試変更の影響を受けやすいです。とくに医学科入試ではこうした影響による志願者数の変動が顕著で、2019年度入試も同様でした。

前期日程では、49大学中28大学で志願者数が減少しました。秋田大(前年比50%)、金沢大(同68%)、長崎大(同76%)などでは、前年の志願者大幅増の反動により志願者数が大幅に減少しました。なかでも秋田大では、志願者減の影響をうけてボーダー得点率は前年から2%ダウン、2次ランクも1ランクダウンしました。

入試変更が志願動向に大きく影響した大学もあります。2019年度入試から2段階選抜を新規実施した名古屋市立大では、志願者数は前年比31%と大幅に減少し、倍率(志願者/合格者)は8.1倍から2.6倍へとダウンしました。前年が高倍率入試だったことも志願者敬遠の要因となったと考えられます。ただし合格者の成績層に変化はなく、入試難易度も前年並みを維持しました。

また、新潟大では、前期日程の個別試験の配点を450点から1200点に変更しました。これまではセンター試験の配点比率が高かったですが、個別試験がより重視される配点となりました。2019年度入試の志願者は、前年比131%と大幅に増加し、2次逆転を狙う受験生の出願が増加したようです。九州大では、過去3年志願者減少が続いていましたが、2019年度入試は前年比109%と4年ぶりに増加に転じました。センター生物が必須から物理、化学との選択になり受験しやすくなったことで、志願者が集まったと考えられます。

また、大阪市立大では募集人員減による警戒からか、前期日程の志願者数は前年から2割以上減少しました。広島大では、後期日程の募集人員15名が前期日程にシフトしました。後期日程では、募集人員減の警戒からか志願者が前年から6割以上減少しましたが、ボーダー得点率は94%と前年から2%上昇しました。

2020年度入試のトピックス

大学入学共通テストの実施に代表される入学者選抜改革を翌年に控え、2020年度入試の変更点は少ないです。そのなかでも、特徴のある変更点について取り上げていきます。

2020年度は、2019年度まで延長が認められた臨時定員増の期限が終了となるため、一部の大学では入学定員減となります。ただし、2021年度までの2年間は臨時定員を暫定的に維持できる見込みで、多くの大学では入学定員を維持する見込みです。詳細は大学公表の選抜要項等で確認しておきましょう。

また、AO・推薦入試の拡大に伴い一般入試の募集人員を減らす大学があります。筑波大では、推薦入試の募集人員増に伴い、前期日程(一般枠)が58名から49名へと変更になります。筑波大は2019年度入試に続く募集人員減となり、志望動向に影響を与えそうです。

そのほか、福島県立医科大鳥取大広島大の3大学では後期日程を廃止します。これにより後期日程を実施する国立大は20大学となり、後期日程では更なる競争激化につながりそうです。 そのほかの入試変更点は、「医学部入試変更点2020」で確認しておきましょう。

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