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2017年度医学部入試情報 2016年度医学部入試結果分析
全体/国公立大学 全体概況

※2017年度入試情報は、2017年4月入学予定者向けの情報です。
2016/07/04 掲載

2016年度医学科入試結果についてお伝えします。

全体概況

2016年度入試では、国公立大の志願者が減少しました。メインとなる前期日程も2年連続で志願者が減少しており、医学科人気にかげりが見えます。しかし、国公立大志願者の成績上位層は厚く、ボーダーランクのダウンはあまり見られませんでした。

一方、私立大医学科の志願者は、37年ぶりの医学部新設となる東北医科薬科大の影響で一般方式では増えたものの、センター方式では志願者が減少しました。
では、2016年度医学科入試について、詳しく見ていきましょう。

国公立大学 全体概況

前期日程、後期日程とも倍率ダウン

まず、国公立大医学科の入学定員について見ていきます。医学科は医師不足解消を図るため、2008年度以降入学定員を増員してきており、国公立大では2007年度から1,044名増加しました<図表1>

今春は長崎大で2名、筑波大で8名の増員がありました。筑波大の1年次入学定員はこの増員により135名となり、東北大と並び全国最多となりました。ただし、度重なる入学定員の増員で、各大学とも入学定員は限界まで達しつつあります。そのため、ここ数年は増員数が小幅になっています。

今春入試の一般選抜の募集人員を見ると、前期日程が22名増加、後期日程が30名減少となりました。
前期日程では、信州大熊本大が後期日程廃止により15名ずつ増員になりました。また、筑波大では今春増員分が前期地域枠に組み込まれ、前期日程で8名増となりました。

一方、募集人員を一般選抜から推薦・AO入試にシフトする動きも見られます。弘前大は前期地域枠をAO入試に移行し3名減、東京大は推薦入試、京都大は特色入試を導入したことにより、前期日程の募集人員は東京大で3名減、京都大で5名減となりました。

後期日程の募集人員減少は、信州大熊本大の2大学が後期日程を廃止したためです。これにより、後期日程を行っている医学科は50大学中24大学と半数を切り、前期日程一発勝負の傾向がより強くなったといえるでしょう。

<図表1> 国公立大医学科 入学定員の推移

年度
入試
1年次入学定員
(増減)
募集人員の内訳(増減)
前期日程 後期日程 推薦入試 AO入試
2016 5,569 (+10) 3,661 (+22) 556 (-30) 1,129 (+15) 208 (+3)
2015 5,559 (+24) 3,639 (+30) 586 (-25) 1,114 (+11) 205 (+8)
2014 5,535 (+18) 3,609 (+22) 611 (-40) 1,103 (+42) 197 (-6)
2013 5,517 (+35) 3,587 (±0) 651 (-19) 1,061 (+54) 203 (±0)
2012 5,482 (+29) 3,587 (+20) 670 (-5) 1,007 (+14) 203 (±0)
2011 5,453 (+55) 3,567 (-9) 675 (-10) 993 (+66) 203 (+3)
2010 5,398 (+290) 3,576 (+183) 685 (-38) 927 (+115) 200 (+30)
2009 5,108 (+420) 3,393 (+277) 723 (-28) 812 (+111) 170 (+60)
2008 4,688 (+163) 3,116 (+125) 751 (-129) 701 (+142) 110 (+15)
2007 4,525   2,991   880   559   95  
  • ※河合塾調べ
  • ※各年度の1年次入学定員は、東京大の理科三類以外からの進学者10名を含みます。
  • ※2011年度以降の1年次入学定員は、北海道大の総合入試入学者からの医学系進学予定者5名を含みます。

<図表2>は過去10年間の入試結果をまとめたものです。前期日程の志願者数を見ると、定員増が始まった2008年度当初から3年間は大きな変化がありませんでしたが、2011・2012年度の2年間で大きく増加し、その後も2014年度まで医学科人気が続いていました。しかし、2015年度は新課程への移行に伴い、センター試験の理科で出題範囲が拡大したことによる負担増などもあり、志願者が減少しました。2016年度の志願者数は18,342人(前年比97%)と減少し、前年の反動は見られませんでした。

後期日程では、志願者数は医学科人気にも関わらず、この間減少傾向にありました。後期日程廃止・縮小により募集人員が減少している影響が大きいです。このため倍率(志願/合格)は2014年度まで上昇傾向にありました。

直近2年の志願者数は、2015年度は前年比88%、2016年度は同91%と減少幅が大きい状況でした。後期日程を実施する大学が少なくなったため、出願しない受験生が増えていると思われ、倍率(志願/合格)もここ2年は低下しています。

<図表2>国公立大医学科 一般選抜の入試結果(日程別)

年度
入試
前期日程 後期日程
志願者数 合格者数 倍率
(志願/合格)
志願者数 合格者数 倍率
(志願/合格)
2016 18,342(-657) 3,791 4.8 10,073(-974) 628 16.0
2015 18,999(-920) 3,770 5.0 11,047(-1,539) 636 17.4
2014 19,919(+243) 3,704 5.4 12,586(-227) 654 19.2
2013 19,676(-807) 3,696 5.3 12,813(-1,290) 695 18.4
2012 20,483(+1,460) 3,671 5.6 14,103(+386) 718 19.6
2011 19,023(+1,846) 3,655 5.2 13,717(+1,024) 722 19.0
2010 17,177(+137) 3,711 4.6 12,693(+42) 736 17.2
2009 17,040(-200) 3,500 4.9 12,651(-618) 782 16.2
2008 17,240(+148) 3,189 5.4 13,269(+7) 794 16.7
2007 17,092 3,038 5.6 13,262 913 14.5
  • ※河合塾調べ

志願者減少による難易度の変化は見られず

<図表3>は、二次試験で教科試験を課す医学科前期日程(一般枠)について、二次ランク別の件数を表したものです。2008年度から2010年度までの3年間は、募集人員の増加に対して志願者数はほぼ変化がなく、易化が続いていましたが、2011年度以降は志願者数が増加して難化傾向にありました。

今春入試では志願者は減少したにも関わらず、入試難易度のボリュームゾーンである0ランク(偏差値67.5)、1ランク(偏差値65.0)の大学数は前年とほぼ同数であり、難易度に大きな変化は見られませんでした。

なお、最難関ランクのM1ランク(偏差値72.5)の大学数は前年の3大学から1大学に減少しました。ランクダウンとなったのは、京都大大阪大です。これにより、M1ランクの大学は東京大のみとなりました。

<図表3>国公立大医学科 二次ランク別大学数の推移(前期日程一般枠)

国公立大医学科 二次ランク別大学数の推移(前期日程一般枠)
  • ※河合塾入試結果調査データより

<図表4>は医学科前期日程受験者のセンター試験得点分布です。志願者の減少は成績下位層で目立つ一方、成績上位層に変化は見られません。前述のように難易度に大きな変化がなかったことを裏付けます。

<図表4>国公立大医学科 前期日程受験者のセンター試験得点分布

国公立大医学科 前期日程受験者のセンター試験得点分布
  • ※河合塾入試結果調査データより

後期日程廃止の影響

では、今春入試で特徴的な動きがあった大学を見ていきましょう。

信州大は後期日程廃止により、前期日程の募集人員が85→100名となりました。募集人員は増加したものの、志願者数は前年比60%と大幅な減少となり、倍率(志願/合格)も8.9→4.4倍へと大きく下降しました。信州大では前期日程の募集人員増加の一方で、第1段階選抜の実施予告倍率が7→5倍に引き下げられたほか、二次試験では理科が1→2科目に増加するなど、敬遠要因となる変更も多かったようです。これが志願者減少につながったものと見えます。
また、信州大の後期日程廃止は山梨大など周辺大への影響が懸念されましたが、周辺大での後期日程志願者の増加は見られませんでした。

熊本大も信州大同様に後期日程を廃止し、前期日程の募集人員は80→95名に増員されました。しかし、志願者数は前年比67%と大きく減少しました。前年に志願者が大きく増加した反動の方が、影響が強かったようです。倍率(志願/合格)も6.6→3.7倍と大きく下降しました。熊本大でも後期日程廃止による周辺大への影響は見られず、後期日程への出願をあきらめた受験生が多かったものと見られます。

大学別に志願状況を見ると、前期日程の志願者前年比は「東高西低」となっており、西日本の大学で志願者の減少が目立ちました。昨年は状況が逆であり、今春入試はその反動が如実に表れたとみられます。とくに西日本では前年の志願者増減の反動で翌年逆の動きを見せる「隔年現象」が起きている大学が多いです。

今春入試では徳島大の前期日程で志願者前年比が30%と大きく減少し、直近3年の倍率(志願/合格)は3.6→8.1→2.4倍となりました。一方、富山大の前期日程は志願者数が倍増しました。この大学も隔年現象が見られ、直近3年の倍率(志願/合格)は5.8→2.7→5.2倍となりました。

このほか隔年現象により志願者が減少した大学は、前期日程では奈良県立医科大熊本大、後期日程では鳥取大宮崎大などで、いずれも今春入試で倍率(志願/合格)が大幅に下降したため、2017年度入試では注意が必要でしょう。

2017年度入試のトピックス

2017年度入試では、大阪大で世界適塾入試の導入に伴い、後期日程の廃止が予定されています。大阪大の後期日程廃止により、近畿地区で後期日程が実施されるのは奈良県立医科大のみとなり、今後の動向が注目されます。高大接続改革の一環として、入試で多様な人材が選抜できる多様な方法を導入する動きが広がっていますが、大阪大の変更もその流れの1つといえるでしょう。

九州大では医師あるいは医学研究者として活躍することの明確な目的意識を出願者にもたせることを狙いとして、「志望理由書」が出願に必要となります。

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